
最後の新線建設に携わり、先輩たちの貴重なノウハウを継承。
幼い頃から、街づくりに興味があって、将来は都市の暮らしに欠かせないインフラを整備していくような仕事をしたいと考えていました。大学院時代に、シールドトンネルの研究室に在籍したことから、都市部に地下構造物を多く所有している東京メトロで、地下構造物の設計や維持管理の業務に携わりたいと思うようになりました。入社して最初に担当したのが、副都心線新宿三丁目駅及び出入口の詳細設計業務でした。副都心線は、東京メトロにとって最後の新線建設の場であり、新入社員としてその場に立ちあえたことに、何よりも大きな喜びを感じました。トンネル建設に携わるようになって感じたのは、大学院で学んだことと、実際のトンネル建設の違いです。先輩たちは、新しい技術や取り組みを常に導入しながら、さまざまな課題を乗り越え、現在まで路線建設を進めてきたわけですから、そこから得られた知見・経験は相当なものです。そうした技術・ノウハウを幅広く目の当りにし、吸収することができたことも、貴重な経験でした。
現場に踏み込み、東京メトロ土木技術者ならではの使命感を体得。
新宿三丁目駅の設計業務を終えて、次に担当したのは、東新宿から明治神宮前までの3つのシールドトンネル工事の発注業務でした。その後、副都心線雑司が谷駅と池袋駅~雑司が谷駅間トンネルの施工監理を担当することになります。まさに新線建設の現場に身をおき、地下構造物がどのようにしてつくられていくのかを、実際に目の前で見て、感じ、学ぶことができた日々でした。多くの人たちが、ひとつの目標に向かってアイデアを出し合い、確実に実行していくことで、日々の工事は進んでいきます。この時に学んだのは、作業内容や工程をただ積み上げていくのではなく、定めた目標と現状との間にある問題点を抽出し、その問題点を技術力で解決しながら開業に向けた工程を厳守していくという姿勢の大切さでした。お客様に一日でも早く新しいサービスを提供したいという使命感をもって、工事の進捗をマネジメントしていく東京メトロの土木技術者ならではの醍醐味を体感しました。
培った技術力を、お客様の期待を越えた空間創造へと展開する。
副都心線の開業以降、新たな路線建設の計画はありません。私は2007年に建設部調査課に異動となり、地下に構造物を建設しようとする事業主に対して、東京メトロが培ってきた工事の発注者としてのノウハウを提供するコンサルティング業務を担当しました。その後、鉄道本部改良建設部設計課において、有楽町線小竹向原駅~千川間連絡線設置工事の工事発注、設計業務も経験しました。そして現在は改良建設企画課において、改良建設部全体の予算管理、事業計画、グループマネジメントなどを担当しています。東京メトロはいま、各駅のバリアフリー設備の整備、有楽町線、東西線の輸送改善、遅延防止など、数多くの課題を抱えています。これらを技術力によって課題解決に導くことが私たちのミッションと理解しています。東京メトロの技術者には、その技術力や知識を鉄道運営にどう活かしていくかという展開力が問われています。築くことよりも、築いた空間や技術によって、お客様に対してどのようなサービスが提供できるかという視点が欠かせません。私は、最後の新線建設に携わったひとりとして、東京メトロが培ってきた技術力、ノウハウをこのまま風化させることなく、お客様のために展開したいという想いと共に次世代へと継承していきたいと考えています。

